朱雀的金田一論:ドラマ編

亀梨和也:ドラマ版「吸血鬼伝説殺人事件」

2005年の金田一復活で「オペラ座館 第3の殺人」が連載中の頃に単発2時間SPとして放送されたドラマ版金田一。主演はKAT-TUN亀梨×上野樹里という話題コンビで視聴率18.6%と前作に比べ好調だったものの原作ファン中心に大変不評を受け連ドラ化は中止になったとか。朱雀も一応後悔しないようにとビデオに録っていたものの再度見る気も起きなかったのでお蔵入りになっていたものの、最近の金田一熱再燃で家からビデオを探し当てて今回のレビューに至る。ちなみに、これがハジメちゃん最初の事件ということにもなっている。

まず、美雪ちゃん(上野樹里)は陸上部部長のようです。ミス研&演劇部という設定は完全削除ですね。KAT-TUNの田中、中丸も友情出演。この頃はまだ「ごくせん」とか「ミンナのテレビ」(後の「歌笑HOTヒット10」、「ウタワラ」)に出だしの頃で全然知らなかったような。

そして、我らのハジメちゃん(亀梨)はというと・・・・ゲーセンでナンパ中。学校へ行けーー!!!!!はい、警察にバレましたね。相手の女の子(サエコ)は逃走ということで・・・。ということでこんなところに剣持警部(加藤雅也)登場。なんで警視庁の警部さんがゲーセンにいるんですか?にしても今回の剣持さんはえらく若いですね。

ということでハジメちゃん、登校して即「お前金田一耕助の孫だろー」攻撃。今回これが重要なポイントになってきますが今回のハジメちゃんは「ジッチャンは関係ないから」なんですね。ここで見えてくる今回の亀田一・・・もとい、ハジメちゃんの人物像。
金田一 一(亀梨)・・・物凄く普通のチャラチャラした(?)高校生。女の子を口説くのが趣味で「ジッチャンは関係ない」。
まぁ、マツジュンよりはハジメちゃんっぽいかなぁ〜。カッコよすぎだけど(笑)因みに、学校をサボったハジメちゃんは3日間の停学。

話は進み進み、陸上部合宿を開始宣言。「美雪の友達」に釣られてハジメちゃんも自主参加。・・・・そして、田中丸(省略)の粋な計らい?で合宿が美雪&ハジメちゃんの2人ということに・・・。っていうか部員4人だけなんですか?これじゃあインターハイどころじゃないじゃないですか。おかしいじゃないですか!(某芸人風)

そしてその合宿が今回の「吸血鬼伝説」の舞台に変更されている(原作は美雪剣持でハジメちゃんと再会)んですが廃墟はさすが変わらず。ハジメちゃんは原作通りで合宿に何故かチャリで来るので(笑)現在は美雪一人と、客3人の猫間純子(小西美帆)、流山森太郎(保阪尚希)、剣持警部。そしてねぇ、廃墟に到着して
剣持サン「こうしてここにたたずんでいるだけで、とても穏やかな気分になれるんです・・・・」
誰だ、こんな剣持さん知らないよーーーー!!これが加藤雅也だから余計恐い。内藤さんだったら絶対言わなさそうだし。そして、ここまでで見えてくる剣持警部の人物像。
剣持勇(加藤雅也)・・・ゲーセンで少年を補導している警視庁警部さん。廃墟マニアでやたら日本語に厳しい。そして、何気にイケメン。
マツジュン版の内藤剛志さんが完璧すぎた分なんかアレだなぁ・・・。

何はともあれ廃墟マンションへ到着。あのイケメン貴船君はえなりかずきの弟が配役。従業員の湊青子は星野真里、バスガイドの比良川は篠井英介。ハジメちゃんも到着して原作通り廃墟病院へ。ここで海谷(山下容莉枝)、二神(正希光)と遭遇するのは変わってないんですが・・・、二神さんはキャラ変わりすぎじゃないですか?原作ではかなり普通だったのに猟銃を持って挙動不振だし。ただ、流山さんの爽やか小説家→死体専門カメラマンという驚異の転換は面白かったですが。緋色さんも到着して全員集結ということで。あと、オリキャラで安池薫(八島健一)投入。全く、オリキャラというのは話中で死ぬ役というのが定番なのに・・・。そして猫間さんは気分悪で薬一気飲み。廃墟に来る人っていうのは全員挙動不振じゃないとダメなんでしょうか・・・・?

この後は第1、第2の殺人(海谷、二神殺し)とここはあまり原作と変わらないのでざっと省略。そしてここで原作とは違い普通の高校生のハジメちゃんが逃げ腰になるのがこの話の肝となるわけですが、よく考えれば"じっちゃん"は"じっちゃん"なわけで(この考え方は別の意味合いで原作にも精通)普通の高校生がいきなり「この謎を解いて」と言われても無理難題だよねー。「小学校の頃無くなった上履きの場所を推理してくれたじゃん」と言う美雪に「上履き探すのと吸血鬼を捕まえるのと一緒にすんなよ」とハジメちゃん。かなり正論であるのに「吸血鬼が恐いの?」など「今のハジメちゃんはただのダメ人間よ」などなど、更には「卑怯者、金田一耕助の孫のくせに!!」と貴様何様だな超他力本願・美雪。案の定ハジメちゃんキレて脱走を試みるも見張っていた剣持に説得される。「大切な人を守るために、その力はあるんじゃないのか!!?」はんっ、刑事さんのくせにろくに犯人推理もせんと・・・・カッコよかったですね。やっぱり剣持警部です。この後美雪が犯人と疑われて怪我を負ってしまいハジメちゃんマジモード突入。「ジッチャンの名に懸けて!」も言ってくれた。やっぱね、ハジメちゃんはこうでなきゃ。

オリキャラの安池はこの後犯人の正体を見たとかで「お前がやったんだろ?もう終わりにしようぜ・・・」脅迫を決行したところ、案の定殺害される。あのさ、何でね、自分が殺される事を想定していないのよ。猟銃を持っているのはいいけど余裕でタバコ吸ってるし。

そしてまぁ、ざっと省略して謎解きへGO!犯人は湊青子なワケだけど(ネタバレ防止の為伏字)、警察とか医療関係者でなくても「ボンベイタイプ」って"血液に興味があったから知ってるのよ!"みたいな事にもなりそうだけど。その後物的証拠が次々と出てくるのでどうせ無駄なんですが。この部分もざっと原作と同じ。最後までタメ口全開のハジメちゃんを除き。でも実写で見るほうが最後の緋色さんがカッコいい。やっぱドラマだぜー。

事件終了後はまたまた陸上部へ。ハジメちゃんと剣持のオリジナルな掛け合いは良かったけど剣持さんの扇子に書いてあった「乞うご期待」って一体?朱雀はもう1年半も期待しまくりなんだけど。

今回のドラマは"ハジメちゃんの最初の事件"が重点であり"普通の高校生"のハジメちゃんが少し成長する・・・という感じでしたね。これはこれで良かったんじゃないか。ハジメちゃんのキャラも歴代3人中一番らしかったし。

結論:こんな廃墟で合宿なんて出来るか。

・今回の最優秀巧演賞は緋色さん役の中村俊介さんという事で。確か「14ヶ月」で高岡早紀の旦那役だったよね?